計画研究B02・東北大学・押切友也准教授、アドバイザー・北海道大学・笹木敬司教授らの共同研究グループの論文がACS Nano誌に掲載されました。
2024.12.25
岡山大学・三澤弘明教授、計画班B02東北大学・押切友也准教授、アドバイザー・北海道大学・笹木敬司教授らの共同研究グループは、高感度で空間的に均一な表面増強ラマン散乱(SERS)を実現する基板を開発しました。この基板は、自己組織化で高密度に配列した金ナノ粒子(d-AuNPs)、酸化チタン、金薄膜から構成されています。この基板を利用することで、d-AuNPsのプラズモン共鳴と酸化チタンおよび金薄膜からなるファブリ・ペロー共振器との間の極めて強い光学的な結合(モード超強結合)に基づき、近接場強度が大幅に増強されます。その結果、有機色素分子のSERS信号を78倍に増加させることに成功しました。さらに、モード超強結合の量子コヒーレンス効果により複数のd-AuNPsからのSERS信号が平均化されるため、空間的に均一な信号を取得することが可能となりました。この成果は、SERS測定の再現性、定量性の向上に寄与します。
本成果は、2024年2月1日(アメリカ東部時間)に、学術誌「ACS Nano」に、オンライン掲載されました。
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acsnano.3c10959